COP15は、数値目標義務化の回避に動く一方で、温暖化被害の最も象徴的な海面上昇の数値予測は、6~9mにまで高騰している。COP15以後のスキームにどのような影響を与えるか不明な海面上昇の予測数値は、さらに高くなることはありえる。
たとえば、破局的な海面上昇についてのジェレミーのレポートにある、毎年の海面上昇値の議論は、その議論がピークにさしかかったものか、これからさらに指数的に増加しかねない海面上昇率の振る舞いが部分的に影響しはじめた片鱗なのか、わからない。
http://news.mongabay.com/2009/1216-hance_sealevels2.html
Catastrophic sea level rise could occur with only two degrees Celsius warming
Jeremy Hance mongabay.com
December 17, 2009
気になることは、IPCCの海面上昇予測の数値訂正がいつになるか?ということだ。
それが数年先なら、政策に反映する余裕なく、意義を失う。これほどの手詰まりに追い詰められたときは、IPCCは緊急予測数値の更改議論に入るべきであろう。
これと関連するローカルな日本の状況は、どうだろうか。
日本近海の海面水位の動向は、ここ100年、ただし、1970年代末まで近海領域で目立った動きがないままに遷移しているが、1980年代以降、上昇している。その理由は、数年から数十年の周波数の変動リズムの影響と噛み合わさっているとされていて、温暖化の影響のみでは説明できない。80年代以降の海面上昇の説明をどのようにするか、注目されるはずだが、調査不足、科学的な調査の蓄積が足りないことを明らかにしている。調査が済んだときは、手遅れであることもありえる、という慎重な言い回しを気象庁はしている。
80年代以降の温暖化の寄与、それ以外の寄与を正確に仕分けして、将来モデルに反映できることがわかったときは、この予測指針も劇的に記述が更改されるはずだろう。日本の臨海政策が、バラ色の開発から、秩序のある規制と防護へと切り替わる分水嶺でもあろう。
気象庁の見解は、
「日本沿岸の海面水位は、さまざまな要因で変動しており、地球温暖化の影響がどの程度現れているかは明らかでない。地球温暖化にともなう海面水位の上昇を検出するためには、地盤変動の影響も含めて更なる調査が必要である。 」http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/sougou/html/1.2.html
という調査への期待感にある。
この抑制された記述にこめられているものは、温暖化による海面上昇の挙動をあきらかにする調査いかんで、海面上昇は変動する可能性があるということも逆に否定しない、ということ。来年2月の潮汐データの定期公表は、この点で興味深い。記録のみか、そうでない調査や評価が記述にあらわれるかどうか。日本は、数十cmオーダーの局地的な海面上昇しか起こらないで済むのか、やはり1.4~2メートルもの上昇を21世紀末に経験する可能性に言及する研究が示唆する予測と関係があるのか、重大な関心を向けざるを得ない。
単に潮汐記録を更改するだけの時代から、計画海面水位の公表とハザードマップ水位と重ねあわせてみる時代に突入したことはまちがいなく、来年2月の公表の姿勢はその「リトマス試験紙」になるだろう。まずは、記録、超期予測、中長期予測というような、COP15以降の日本の温暖化対策のフェーズにきちんと噛み合うような見方ができる編集に改定されるであろう。
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